カンボジア語で「食べる」の言い方3種類【動物にញុំា ニャムは使わない】

カンボジア語学習者

カンボジア語で「食べる」は何と言えばいいんですか??
本によって色々出てくるので、どれが正解かわかりません・・・

こんな方へ向けて、解説していきます。

■もくじ■

  • カンボジア語で「食べる」の言い方3種類
  • 3種類の「食べる」の使い方
  • 3種類の「食べる」の発音と記事・動画での使われ方

■私はこんな人です■

  • フリーランスのカンボジア語講師・翻訳者
  • カンボジア語カレッジを運営
  • 東京外国語大学カンボジア語学科卒業

早速みていきます!

カンボジア語で「食べる」の言い方種類

実は、カンボジア語では「食べる」という単語がものすごくたくさん種類がありまして、例えば友達同士ならこれを使う、物語や小説ならこれを使う、僧侶や王様に対してはこれを使う、など色々な言い方があるのですが、中でも次の3種類が会話や文章で特によく使います。

まずはこの3つを覚えておけば、会話や文章でも特に問題ないかなと思います。

↓それがこちらです。

最もよく使う「食べる」ញុំា
ニャム
ញុំាより丁寧な「食べる」(召し上がる)ពិសារ または ហូប
ピサー      ホープ  ※どちらでもOK
動物が「食べる」
・(人間が)「食う」
・(時間を/燃料を/電気を)「食う」
សុី 
シー
  • 会話で最もよく使うのが ញុំា ニャム です。まずはこれを最初に覚えておくことをおすすめします。
  • ញុំា の丁寧バージョンが ពិសារ ピサー または ហូប ホープです。目上の方にはこちらを使った方がいいかと思うのですが、はじめはなかなか使い慣れないかもしれません。普段は ញុំា を使い、慣れてきたら ពិសារ または ហូប ホープ を使うようになるといいかなと思います。ពិសារ または ហូប ホープはどちらを使ってもOKです。
  • សុី シー は以下の3つの使い方があります。
  1. カンボジア語の場合は、動物が「食べる」という時は ញុំាなどではなく សុី シー を使います。
  2. さらに、この សុី は人間にも使うことができますが、「食う(くう)」という風に少し乱暴な言い方です。私もカンボジアの昔のお話などでは人間にこの សុី を使った文章を見たことはありますが、普段の会話では人間に対しては使わない方がいいと思います。

    *人が「食べる」と言いたい場合は、ញុំា などを使った方が良いです。一方で、動物はいつも សុី で大丈夫です。
  3. また、「時間を食う」「この車は燃料を食う」というような時も、この សុី を使うことができるそうです!(私も調べていて知りました)

繰り返しになりますが、カンボジア語で「食べる」は他にも言い方が色々あります。ただし、今回ご紹介する3つが会話や文章でも特によく使いますので、ひとまずはこの3つを覚えておけば大丈夫かなと思います!

3種類の「食べる」の使い方

次に、先ほどの3種類の「食べる」の使い方を具体例を上げてみていきます。

↓基本の文法がまだよくわからないという方は、こちらから学習できます。

ញុំា ニャム

日常会話ではこれが最もよく使われます。

家族・友達・親しい人・年が近い人同士であれば ញុំា を使えば大丈夫です。

私はお寿司を食べたいです。
ខ្ញុំ ចង់ ​ញុំា ស៊ូស៊ី។
クニョム・チョン・ニャム・スシ

  • ខ្ញុំ クニョム 私
  • ចង់ チョン ~したい
  • ស៊ូស៊ី スシ 寿司

中でも、次のフレーズは日常会話でもとてもよく聞かれます!

もうご飯食べた?
ញុំា បាយ ហើយ (ឬនៅ) ?
ニャム・バーイ・ハウイ(ルー・ノウ)?

ឬនៅ ルー・ノウ は言っても言わなくてもOKです。ネイティブの方も、言わない人もたくさんいます。

カンボジアでは、例えば誰かに道で会った際に、「お元気ですか?(សុខ សប្បាយ ទេ? ソック・サッバーイ・テー?)」と言う代わりに、「どこ行くの?(ទៅ ណា? タウ・ナー?)」やこの「もうご飯食べた?(ញុំាបាយហើយ(ឬនៅ)?ニャム・バーイ・ハウイ(ルー・ノウ)?) と相手に聞くことがとてもよくあります。

↓「お元気ですか?/どこに行くの?もうご飯食べた?」の使い方と聞かれた時の答え方などは、こちらの記事で詳しく解説しています。

ពិសារ ピサー

こちらは先ほどの ញុំា のより丁寧な言い方です。

目上の方や敬意を表したい相手にはこちらを使った方が良いかなと思います。

 បរិភោគ ボリポー(ク)

参考までに、បរិភោគ ボリポークもご紹介します。

បរិភោគ ボリポークは主に記事や物語などの書き言葉で「食べる」という時に使われます。

ネイティブはこう使う!

以前、ある美容ドリンクのチラシを日本語からカンボジア語へ翻訳する仕事があり、その中で「食べる」という単語を訳さなければなりませんでした。

その際ネイティブの友人に聞いたところ、文章で書く場合ញុំា だとどちらかと言うと子どもやかなり若い人が使う言い方だから、大人が読むような記事や物語であれば、 បរិភោគ ボリポー(ク) または ទទួលទាន トトゥオル・ティアン を使った方が良いと言っていました。

一方で、小さな子ども向けの文章や絵本などであれば、「食べる」は ញុំា で大丈夫なのだそうです。

សុី シー

こちらは次のように使うことができます。

  • 動物が「食べる」
  • 人間が「食う」(やや乱暴な言い方)
  • 時間/燃料/電気などを「食う」

動物が「食べる」

*動物が何かを食べる、と言う時は次のように必ず សុី を使います。

ワニが肉を食べる。
ក្រពើ ស៊ី សាច់។ ◎
クロプー・シー・サイッ

ក្រពើ ញុំា សាច់។ ×
クロプー・ニャム・サイッ

ក្រពើ ពិសារ សាច់។ ×

クロプー・ピサー・サイッ

ក្រពើ បរិភោគ សាច់។ ×

クロプー・ボリポー(ク)・サイッ

  • ក្រពើ  クロプー ワニ
  • សាច់ サイッ 肉
ネイティブはこう使う!【超重要です】

以前、私は សុី シー を使うとちょっと下品なのかなと思い、「うちの猫は〇〇を食べるのが好きで・・・」と言うときに、「食べる」の部分を「ញុំា ニャム」と言っていたのですが、その際ネイティブの子に「សុី シー ね!」と訂正されました。そしてその後も何度か同じことがあり、他のネイティブの方にも動物は「សុី シー だよ」と直されました。

この「សុី 」は、人間に使う場合は「食う」という風に少し乱暴な言い方になりますが、動物に対して使う場合は「សុី 」は乱暴な言い方にはならないので、動物は「សុី 」で問題ないのだそうです。

ネイティブのカンボジア人の20代の女の子や、40代の男性の先生にも動物は「សុី 」だよと訂正されたので、女性でも、丁寧に言いたい場合でも、動物は基本的に「សុី 」で大丈夫です。

人間が「食う」(乱暴な言い方)

太郎はメシを食う
តារ៉ូ ស៊ី បាយ។
タロー・シー・バーイ

  • តារ៉ូ  タロー 太郎(人の名前)
  • បាយ バーイ ご飯

時間/燃料/電気などを「食う」

時間を食う 
ស៊ី ម៉ោង ។
シー・マオン

この車はガソリンを食う 
ឡាននេះ ស៊ី សាំង ។
ラーン・ニヒ・シー・サン

電気を少し食う 
សុី ភ្លើង តិច ។
シー・プルーン・タイッ

  • ម៉ោង マオン 時間
  • ឡាន ラーン 車
  • នេះ ニヒ これ、この
  • សាំង サン ガソリン
  • ភ្លើង プルーン 電気
  • តិច タイッ 少し

3種類の「食べる」の発音と記事・動画での使われ方

最後に、今日解説した3種類の「食べる」が実際のカンボジア語のサイトや動画でどのように使われているかをご紹介します。

ញុំា ニャム

カンボジア語モジュールという無料サイトです。
←こちらから発音を確認できます。

次の動画でも、タイトルに ញុំា が使われています。

នំ ノムはお菓子という意味で、នំ Cake で「ケーキ」を表します。
ពិសា ピサー

丁度良いものが見つからなかったので、良いものが見つかりましたら改めて掲載します🙇‍♀️

បរិភោគ ボリポー(ク)

次の記事のタイトルには、បរិភោគ が使われています。
*各単語の意味は画像の下に書いています。

អាហារ ១៣ ប្រភេទ ដែល ស្ត្រី មាន ផ្ទៃពោះ គួរ បរិភោគ
アーハー・ドップ・バイ・プロペート・ダエル・スットライ・ミアン・プテイ・ポホ・クオ・ボリポー(ク)
「妊娠している女性が食べるべき13種類の食べ物」

  • អាហារ アーハー 食事
  • ១៣  ドップ・バイ 13
  • ប្រភេទ プロペート 種類
  • ដែល ダエル (関係詞)
  • ស្ត្រី スットライ 女性
  • មាន ផ្ទៃពោះ ミアン・プテイポホ 妊娠している
  • គួរ クオ 〜するべきだ
សុី シー

こちらも丁度良いものが見つからなかったので、良いものが見つかりましたら改めて掲載します🙇‍♀️

まとめ

今回は、カンボジア語の「食べる」の言い方3種類について解説しました。

まとめ
最もよく使う「食べる」ញុំា
ニャム
ញុំាより丁寧な「食べる」ពិសារ または ហូប
ピサー      ホープ  ※どちらでもOK
動物が「食べる」
・(人間が)「食う」
・(時間を/燃料を/電気を)「食う」
សុី 
シー

繰り返しになりますが、カンボジア語で「食べる」は他にも様々な言い方があります。ただし、会話や文章ではこの3種類が特によく使うのでぜひ優先的に覚えて使ってみてください。

もっと深くまでカンボジア語を学びたい方へ

「食べる」は今回ご紹介したもの以外になんと、あと6個ほどあります。より詳しい使い分けを知りたい、カンボジア語をもっと深く学びたいという方はオンライン講座で学習できます。詳しくはこちら