初心者向け!カンボジア語の基本文型【完全ガイド】

カンボジア語学習者

カンボジア語の語順って、どうなってるんですか?文法を勉強したいので一から教えて欲しいです。
そもそも、いきなり文法を勉強しても大丈夫ですか?どういう順番で勉強すればいいかもアドバイスがもらえると嬉しいです。

こんな方へ解説します。

●この記事でわかること●

  • カンボジア語の基本文型【完全ガイド】
    1. 主語・述語・目的語
    2. 後ろから修飾
  • 日常会話でよく使う動詞

こんにちは、Furuyaです。

●私はこんな人です●

  • フリーランスのカンボジア語講師・翻訳者
  • カンボジア語カレッジを運営
  • 東京外国語大学カンボジア語学科卒業

●文法学習のポイント●

  • カンボジア語は発音は難しいですが、文法は非常にシンプルで簡単です。本記事を読むことで、カンボジア語の基本的な文のつくりが理解できるかなと思います。

また、できるだけ難しい表現は使わずにわかりやすく解説していますので、「カンボジア語を全く勉強したことがない」という方でも、いきなりこの記事で文法の勉強から初めても特に問題はないかなと思います。

  • ただし、カンボジア語の文字と発音の関係を勉強しておくと、単語が覚えやすくなったりより内容が理解しやすくなります。本記事を読んだ後でももちろん大丈夫ですので、文法と発音についてはカンボジア語の基礎①〜③という全3記事で学習できますので、そちらもぜひ読んでみてください。

それでは、早速解説していきます。

カンボジア語の基本文型【完全ガイド】

ខ្ញុំ ទៅ ស្រុក ខ្មែរ ។ 
クニョム・タウ・スロッ・クマエ
私はカンボジアに行きます。

ខ្ញុំទៅស្រុក ខ្មែរ
クニョムタウスロッ(ク)・ クマエ
行くカンボジア
主語述語目的語
最後の「 ។ 」は日本語の「。」を表します。

文法の2大ポイント

  1. 主語・述語・目的語
    上の例のように、カンボジア語は (主語)+行く(述語)+カンボジア(目的語) という語順で文章ができます。
    *私は〜の「は」に当たる語や、〜に行くの「に」に当たる語は無いので何もつけなくて大丈夫です。
  2. 後ろから修飾
    ស្រុក ខ្មែរ スロック・クマエは ស្រុក スロック (国)・ខ្មែរ クマエ (クメール、カンボジア) という意味で、ស្រុក 国+ខ្មែរ クメールでクメールの国=カンボジア(国)という意味になります。
    このように、何かを説明したり修飾する場合は後ろから修飾する形になります。

それぞれ順番に見ていきます。

①主語・述語・目的語

主語・述語・目的語

  • 上であげた例のように、カンボジア語は主語・述語・目的語の順に並べれば文章が完成します。
  • 「私は〜」の「は」に当たる語や、「〜に行きます」の「に」に当たる語は無いので何もつけず単語を並べるだけで文章ができます。

例も2つあげてみます。

具体例1

ខ្ញុំ រៀន ភាសាខ្មែរ ។ クニョム・リアン・ピアサー・クマエ  私はカンボジア語を勉強します。

ខ្ញុំរៀនភាសា ខ្មែរ
クニョムリアンピアサー・クマエ
勉強するカンボジア語
主語述語目的語

*このように、主語・述語・目的語の順番になります。

*ភាសា ピアサーは「言語」、ខ្មែរ クマエ は「クメール、カンボジア」という意味で、ភាសា「言語」+ខ្មែរ 「クメール、カンボジア」でカンボジア語 という意味です。

*「日本語」と言いたい場合は ភាសា ピアサー「言語」+ជប៉ុន チャポン 「日本」でភាសា ជប៉ុន ピアサー・チャポンで「日本語」という意味になります。
(例) ខ្ញុំ រៀន ភាសាជប៉ុន ។ 私は日本語を勉強します。

具体例2

ខ្ញុំ ទៅ ហាង កាហ្វេ ។ クニョム・タウ・ハーン・カフェー 私はカフェに行きます。

ខ្ញុំទៅហាង កាហ្វេ
クニョムタウハーン・カフェー
行くカフェ
主語述語目的語

*同じように、語順は主語・述語・目的語の順番になります。

*ហាង ハーンは「店」、កាហ្វេ カフェーは「コーヒー」という意味で、ហាង ハーン「店」+កាហ្វេ カフェー「コーヒー」でコーヒーの店=カフェという意味になります。

(例) ខ្ញុំ ញុំា កាហ្វេ ។ クニョム・ニャム・カフェー 「私はコーヒーを飲む。」
 *ញុំា ニャムは「食べる、飲む」

動詞の形は変わらない

カンボジア語は動詞の形が過去形・現在形・未来形で変化することはありません。

変化しないとは具体的にどういうことか、日本語の場合とカンボジア語の場合で比べて解説します。

日本語の場合
  • 日本語では「行く」という動詞がありますが、昨日行った場合は「行った」となりますよね。
    *「行く」→「行った」に言い方が変化します。
  • 明日行く場合は、「明日行く」とも言いますが「明日行く予定」「明日行くつもり」などと言い方が変化しますよね。
    *「行く」→「行く予定」「行くつもり」などと言い方が変化します。
カンボジア語の場合
  • 一方で、カンボジア語ではこのように動詞の形が変わることはありません。
  • カンボジア語で「行く」は ទៅ タウ と言いますが、昨日行った場合も ទៅ タウ ですし今日行く場合も ទៅ タウ ですし、明日行く予定と言う時も ទៅ タウ と言います。つまり、この「ទៅ」の形が変わったり、発音が変わったりすることはないのです。

具体的に言うと、次のようになると言うことです。

ខ្ញុំ ទៅ ស្រុក ខ្មែរ ។
クニョム・タウ・スロッ・クマエ
私はカンボジアに行った
過去のこと
ខ្ញុំ ទៅ ស្រុក ខ្មែរ ។
クニョム・タウ・スロッ・クマエ
私はカンボジアに行く
現在のこと
ខ្ញុំ ទៅ ស្រុក ខ្មែរ ។
クニョム・タウ・スロッ・クマエ
私はカンボジアに行く(予定だ)
未来のこと
すべて「ទៅ」タウ で表す。

このように、カンボジア語では過去のことでも・現在のことでも・未来のことを言う場合も動詞の形は変わりません。

カンボジア語学習者

でもこのとき、ខ្ញុំ ទៅ ស្រុក ខ្មែរ ។ クニョム・タウ・スロッ・クマエ と言う文章を見ただけでは、この人はカンボジアに「すでに行った」(過去)のか、「今行く」(現在)のか、または今度「行く予定」(未来)なのかは判断できないですよね。どうやって判断すればいいのでしょうか?

 判断の仕方は、2つあります。

  1. 時間をあらわす単語で判断する
  2. 話の流れで判断する
①時間をあらわす単語で判断する

文章に「いつのことなのかを示す単語」がついていればそれを見て判断できます。

つまり、昨日・先月・2年前・今日・明日・来週・来年・・・など

時を表す単語があれば、それを見てその文章が過去のことなのか・現在のことなのか・明日以降の未来のことなのかを判断できるということです。

具体例を2つ挙げて解説します。

具体例1

ខ្ញុំ ទៅ ស្រុក ខ្មែរ ២ ឆ្នាំ មុន។ クニョム・タウ・スロッ(ク)・クマエ・ピー・チナム・モン

2年前カンボジアに行きました。

*២ ឆ្នាំ មុន ピー・チナム・モン で「2年前」

ឆ្នាំមុន
ピーチナムモン
2

→「2年前」という単語がついているため、カンボジアにすでに「行った」(過去)のだとわかります。

具体例2

ខ្ញុំ  ទៅ ស្រុក ខ្មែរ ខែ ក្រោយ ។ クニョム・タウ・スロッ(ク)・クマエ ・カエ・クラオイ

来月カンボジアに行きます/行く予定です。

ខែ ក្រោយ カエ・クラオイ で 「来月」

ខែក្រោយ
カエクラオイ
来〜、後

→「来月」という単語がついているため、カンボジアにこれから「行く予定」(未来)だとわかります。

数字について学習したい方は以下をご覧ください

このように、時を表す単語がついていれば、いつの出来事なのかを判断できます。

②話の流れで判断する

先ほど解説したような過去や未来など時をあらわす単語がついていない場合は、会話の流れで過去のことなのか・現在のことなのか・未来のことなのかを判断します。

なお実際の会話では、ほとんどの場合は会話の流れでいつのことを言っているのか判断できますので安心してください。

カンボジア語の文法まとめ

このように、カンボジア語では動詞の変化がないので、1つの動詞を覚えてしまえば過去でも現在でも未来のことでも言えますので、覚える単語も少なくとても簡単です。

過去・現在・未来いつのことを言っているのかは時を表す単語を見るか、話の流れで判断します。

↓過去形・未来形・現在進行形について詳しくはこちらでも解説しています。

主語を「私」以外にしたい場合

上の解説では ខ្ញុំ クニョム「私」を主語にした文を例に上げましたが、他の人のことを言いたい場合は主語を変えればOKです。例を3つ挙げてみます。

例1

ម្ដាយ ខ្ញុំ ទៅ ស្រុកខ្មែរ ២ ឆ្នាំ មុន។ マダーイ・クニョム・タウ・スロッ(ク)・クマエ ・ピー・チナム・モン

私の母は2年前カンボジアに行きました。

*ម្ដាយ ខ្ញុំ で「私の母」という意味です。

ម្ដាយខ្ញុំ
マダーイクニョム
例2

ប្តី និង កូនប្រុស ខ្ញុ ទៅ ស្រុក ខ្មែរ ថ្ងៃ នេះ។ プダイ・ヌン・コーンプロホ・クニョム・タウ・スロッ(ク)・クマエ・トゥガイ ・ニヒ

私の夫と息子は今日カンボジアに行きます。

ប្តី និង កូនប្រុស ខ្ញុំ プダイ・ヌン・コーンプロホ・クニョムで「私の夫と息子」
កូន コーン「子ども」+ប្រុស プロホ「男」で男の子ども=「息子」

ប្តីនិងកូនប្រុសខ្ញុំ
プダイヌンコーンプロホクニョム
子ども
「娘」であれば、កូនស្រីコーン・スライと言います。កូន コーンは子ども、 ស្រីスライは女

ថ្ងៃ នេះ トゥガイ ・ニヒで「今日」

ថ្ងៃនេះ
トゥガイニヒ
これ、この

例3

គាត់ ទៅ ស្រុក ខ្មែរ ខែ ក្រេីយ។ コアット・タウ・スロッ(ク)・クマエ ・カエ・クラオイ

彼女(彼)は来月カンボジアに行きます/行く予定です。

*គាត់ コアットは「彼」「彼女」「あの子、あの人」という意味

色々な文章を作れます

単語さえ覚えてしまえば、次のように「カンボジアに行く」以外の文章も色々作れます。文型はこれまで解説した通り、主語・述語・目的語の順番です。例を4つ挙げます。

例1

ខ្ញុំ ញុំា បាយ ។ クニョム・ニャム・バーイ

私はご飯を食べます。

*ញុំា ニャム 「食べる、飲む」
*បាយ バーイ 「ご飯」

例2

ម្ដាយ ខ្ញុំ ទៅ សាលាក្រុង ម្សិលមិញ ។ マダーイ・クニョム・タウ・サラークロン・ムサルマニュ

私の母は昨日市役所に行きました。

*សាលាក្រុង サラークロンで「市役所」
*ម្សិលមិញ ムサルマニュで「昨日」

*សាលា サラーだけだと「学校」「役所」という意味があります。

例3

ប្តី និង កូនប្រុស ខ្ញុំ ទៅ សួនសត្វ ថ្ងៃនេះ ។ プダイ・ヌン・コーンプロホ・クニョム・タウ・スオンサット・トゥガイ ニヒ

私の夫と息子は今日動物園に行きます。

*សួនសត្វ スオンサット 「動物園」
*សួន スオンは「園」、សត្វ サットは「動物」

例4

គាត់ រៀន ភាសា ខ្មែរ ។ コアット・リアン・ピアサー・クマエ  

彼女はカンボジア語を勉強しています。

*រៀន リアン 「勉強する」
*ភាសា ខ្មែរ ピアサー・クマエ 「カンボジア語」
*ភាសា ピアサーは「言語」、ខ្មែរ クマエは「クメール、カンボジア」

②後ろから修飾

次に、装飾したり説明することばのつく位置について解説します。

カンボジア語では、修飾することばは後ろにつけて後ろから修飾します

例えば「大きい本」という時、日本語では大きい+本という順番になりますが、カンボジア語では逆で本+大きいという順番に言います。

日本語の場合「大きい本」大きい
カンボジア語の場合「大きい本」大きい

សៀវភៅ ធំ スィアパウ・トム  「大きい本」

សៀវភៅធំ
スィアパウトム
大きい
修飾される単語・説明される単語修飾することば・説明することば

このように、カンボジア語では「大きい」など修飾したり説明したりすることばは後ろにつき、後ろから修飾する形になります。

他の例もあげて見てみます。

ស្រុក ខ្មែរ スロッ(ク)・クマエ  「カンボジア」

ស្រុកខ្មែរ
スロッ(ク)クマエ
クメール、カンボジア

ស្រុក ជប៉ុន スロッ(ク)・チャポン  「日本(国)」

ស្រុកជប៉ុន
スロッ(ク)チャポン
日本

ភាសា ខ្មែរ ピアサー・クマエ 「カンボジア語」

ភាសាខ្មែរ
ピアサークマエ
言語クメール、カンボジア

សក់ ខ្មៅ ソッ(ク)・クマウ 「黒い髪」

សក់ខ្មៅ
ソッ(ク)クマウ
黒い

មុខ ​​ស្អាត モック・スアーッ(ト) きれいな顔、美しい顔

មុខស្អាត
モックスアーッ(ト)
綺麗、美しい

ឡាន តូច ラーン・トーイ 「小さい車」

ឡានតូច
ラーントーイ
小さい

ប៊ិច ខៀវ イッ(チ)・キーアウ 「青いペン」

ប៊ិចខៀវ
ベイッ(チ)キーアウ
ペン青い

先ほどの例文でも出てきましたが、「来月」などもこのルールによるものです。

ខែ ក្រេីយ カエ・クラオイ 「来月」

ខែក្រេីយ
カエクラオイ
来〜、次

ខែ មុន カエ・モン 「先月」

ខែមុន
カエモン
前、先の

អាទិត្យ ក្រេីយ アートゥット・クラオイ 「来週」

អាទិត្យក្រេីយ
アートゥットクラオイ
来〜、次
*「週」は អាទិត្យ アートゥットという単語ではなく、សប្តាហ៍ サッパダー という単語もよく使います。

さらに、「私の母」「私の夫」「私の息子」などと言うときも同じく「私の」という修飾する語・説明する語は後ろにつけます。

ម្ដាយ ខ្ញុំ マダーイ・クニョム 「私の母」

ម្ដាយខ្ងុំ
マダーイクニョム

ប្តី និង កូនប្រុស ខ្ញុំ プダイ・ヌン・コーンプロホ・クニョム 「私の夫と息子」

ប្តីនិងកូនប្រុសខ្ងុំ
プダイヌンコーン・プロホクニョム
息子

និង は A និង B というように、「〇〇と〇〇」という意味です。ខ្ញុំ クニョムを後ろにつけて、夫と息子を修飾しています

まとめ

今回は、カンボジア語の文法の基本語順を解説しました。

まとめ
  • 基本語順は主語・述語・目的語
  • 過去・現在・未来で動詞の変化はない
  • 後ろから修飾

文法を使いこなすには、「動詞」も大切

文法を学習していく中で、やはり動詞(述語)はとても重要になってきます。

言える動詞が多ければ多いほど、いろいろな事柄についてカンボジア語で説明できるようなりますので、ぜひよく使う動詞から順番に覚えて使ってみることをおすすめします。

以下の記事では、私が個人的に「これは会話でも文章でも特によく使う!」と思う動詞をまとめましたので、ぜひこちらの記事で学習してみてください。

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