こんな悩みを持つ方へ向けて、解説していきます。
●この記事でわかること●
- カンボジア語は難しいのか?【発音にこだわり過ぎなければいけます】
- はじめにおさえておきたい発音の重要ポイント2つ
- この流れで学習を進めましょう
●私はこんな人です●
- フリーランスのカンボジア語講師・翻訳者
- カンボジア語カレッジを運営
- 東京外国語大学カンボジア語学科卒業
結論からいうと、はじめからカンペキな発音にこだわりすぎず、文法や単語・フレーズさえ覚えしまえば、独学でもネイティブの人と会話ができるようになると思います。
個人的には、はじめは発音の最重要ポイントだけをおさえて、発音の細かい部分はあまり気にしないようにして積極的に話すということが特に大切だと思います。
発音は後からでもいくらでも直すことができますし、むしろカンボジア語の場合はある程度文法や単語をわかってきてから発音を学習し直した方がより理解しやすかなと思います。
私自身もはじめは発音が全く分かりませんでしたが、発音にあまり神経質にならずとにかくたくさん話すことで、話せるようになりました。
それでは、詳しく見ていきます!
カンボジア語は難しいのか?【発音にこだわり過ぎなければいけます】
カンボジア語で難しいのは発音です。
というより、難しいのは発音だけと言ってもいいかもしれないです。
ちょっと次の表を見てみてください。
「カンボジア語を勉強する」と一口に言っても、文字を書けるようになる、発音を練習する、文法を学習する、単語を覚える、会話練習をする・・・など、勉強する項目は色々ありますよね?
この図は、これまで12年以上カンボジア語を学習してきた私が考える、それぞれの難易度です。
もちろん人によっても「難しい」と感じる部分は異なるかとは思いますが、あくまでも私の考えです。
これを見るとわかるように、カンボジア語では発音が最も難しいです。一方で、文法はシンプルでかなり簡単です。
ここで、次にように思う方も多いかと思います。
やっぱり発音をマスターしないとカンボジア語は話せるようにならないですよね?😭
結論は、カンボジア語は多少発音が悪くても話せるようになりますしネイティブの人とコミュニケーションも取れるようになります。
そのためには、文法を学習したり単語を覚える必要はありますが、先ほども言ったように文法はめちゃめちゃカンタンなんです!
カンボジア語の文法の特徴
文法について少し解説すると・・・カンボジア語は単語をただポン、ポン、ポンと並べて言うだけで文章ができます。
例えば日本語の「私はカフェラテが大好きです」と言いたい時の「私は」の”は” や 「カフェラテが」の”が”に当たる言葉も無いので言う必要も覚える必要も無いんです。
もっと言うと「昔はカフェラテが大好きでした」と言う風に過去のことを言う場合、日本語だと「大好きです」が「大好きでした」に語尾が変わりますよね?でも、カンボジア語の場合は過去の話をする時も動詞の語尾が変わることはありません。
現在のことも・過去のことも・未来のこと(明日行きますetc.)も同じ単語を語尾も変わらずそのまま使えるので、1つ単語(動詞)を覚えてしまえばどのタイミングのことも言えるようになるんです。
ではここで、さらに次のような疑問が湧くと思います。
じゃあ、発音は一切勉強しなくていいですか?!
答えは、発音は最も重要なポイントが2つあるのではじめはとりあえずそこだけ意識して発音するようにすれば問題ないと思います。*重要ポイントは次の章で解説します。
つまり、
- まずはカンボジア語の発音の最重要ポイント2つだけを抑える
- →文法や単語をどんどん学習する
- →細かい発音はあまり気にせず、ネイティブの人と積極的にたくさん話してみる
と言うことをおすすめします。(個人的には、これがカンボジア語を話せるようになるための最も近道だと思っています。)
私自身もはじめは発音は本当に全くわかりませんでしたし、ネイティブの先生や留学生の発音を聞いたところで聞き分けることも一切できませんでした。
ですが、発音をあまり気にせずガンガン話すことで、ネイティブの人とも話せるようになりました。
そして、ちょっとでも話せるようになると、自信がついてもっと単語を頑張って覚えたい!もっと話せるようになりたい!と言う意欲も湧いてきますので、この「気にし過ぎない」と言うのが上達へのコツかなと思います。
はじめにおさえておきたい発音の重要ポイント2つ
では、「はじめは最重要ポイントだけをひとまずおさえましょう」とお話ししましたが、そのポイントと言うのは主に次の2つです。
- 息を出す音・出さない音(有気音・無気音)
- 語尾の発音
息を出す音・出さない音(有気音・無気音)
日本語と違って、カンボジア語は文字によって「息を出すように言う」文字と「息が出ないように言う」文字があります。
文法的に言うと、有気音(ゆうきおん)・無気音(むきおん)と言い、参考書などにもよく「有気音・無気音」と書かれています。
カンボジア語では、例えば次のような発音の違いがあります。
- ខ コー 息を出すように言う
- គ コー 息を出さないように言う
上はカンボジア語の文字です。どちらも「コー」と読むのですが、実際の発音の仕方は少し異なります。上に書いた ខ は少し息が出るように「コオー」と言い、下の គ は息が出ないように「コー」と発音します。
この時、自分の発音が息が出ている(有気音)か息が出ていない(無気音)か確認するには、自分の口の前にティッシュペーパーを一枚かざしてチェックすることができます。
「コー」と息を出すように発音した時にティッシュがふわっと前に揺れれば、息を出せています(=有気音の発音ができています)。
一方で、「コー」と息ができるだけ出ないように発音してみて、ティッシュが全く動かなければ、息を出さない音が出せています(=無気音の発音ができています)
ぜひ試してみて、有気音・無気音の違いを確認してみてください。
*大学時代に先生に教えて頂いた方法です。
語尾の発音
もう1つの最重要ポイントは、語尾の発音です。
カンボジア語では、単語の最後が ク(k)・ト(t)・チ(c)・プ(p)が来る場合は、この最後のク(k)・ト(t)・チ(c)・プ(p)の部分ははっきり発音しないようにします。
より正確に言うと、ク(k)・ト(t)・チ(c)・プ(p)の音の口の形はするんだけど、はっきり音は出ないようにするんです。
例
- ពាក់ ペアック (服などを)着る
↑この単語は「ペアック」と読み、最後にク(k)がきています。そのため、「ペ・アッ・ク」という風にすべてをはっきり発音するのでなく、イメージ的には「ペアッ」と言った後すぐに口は「ク」を言おうとする口の形はしますが、はっきり「ク」と音は出さないようにします。(出したとしてもほんのちょっとにします)
このように、カンボジア語の発音を学習する際は、初めはこの①息を出す・出さない ②語尾の発音の2点だけは意識するようにしましょう。
他にもポイントは色々あるのですが、はじめからすべてをやろうとすると大変ですし、細かいところはできなくても会話にはそこまで影響はないので、発音の細かい部分はは初めはあまり気にしなくても大丈夫かなと思います。
まずはこの最重要ポイント2つを意識して発音するようにして、あとは文法や単語をガンガン覚えていきましょう!!
繰り返しになりますが、初めは発音の細かい部分まで気にし過ぎたり発音に神経質になり過ぎないことが大切です。
この流れで学習を進めましょう
個人的には、カンボジア語をこれから学習する方は次の流れで学習を進めていくことをおすすめします。
上の図は、私自身が「もし自分が一から勉強するとしたら、この流れで勉強していけばより早く話せるようになるかも!」ということを元に作成した流れです。
この流れをおすすめする理由
私自身は大学でカンボジア語を専攻して、そこで初めてカンボジア語の基礎を習ったので、「一から自分で勉強した」というのとは状況はかなり異なるかもしれません。
ただし、私自身も高校生の頃は「へ〜カンボジア語っていう言語があるんだ。っていうかカンボジアってどこにあるの?」というレベルでしたし、大学に入るまではカンボジア語の文字を見たこともなければカンボジア人と会ったことも一切ありませんでした。
さらに、大学のカンボジア語学科に入った段階ではまず文字の書き方や読み方から一から教えてもらいましたし(日本語で言えばあいうえおから習う感じ)、ネイティブの先生が来て発音の授業があっても、発音の仕方が全く理解できていませんでした。
私も、はじめはみなさんと同じくカンボジア語初心者でした。
そんな私が、これまで大学時代も含めて12年以上カンボジア語を学習してきた経験から、次のような流れで学習していくとより独学しやすく、内容も理解しやすくなりより早く話せるようになるのではないかと考えています。
- 文字を書けるようになり
- →発音は重要ポイントだけをざっとおさえて
- →(日常会話で一番よく使う)基本のあいさつだけ先に覚えてしまい
- →その後で文法をどんどん進めていき
- →ネイティブの人と積極的に話していく
- →慣れてきた頃にまた発音の細かい部分を学習してみる
学習する上で大切なこと
カンボジア語を話せるようになるために大切なことは、次の3つです。
- 発音は細かいところは気にし過ぎない
- どんどん文法・単語を覚える
- はっきりと、笑顔で、積極的に話してみる
*発音は、前章で解説したように重要ポイント2つだけを意識すればOKです。
具体的な学習方法
学習の流れがわかったところで、具体的な学習方法ご紹介します。
この「カンボジア語が学べるブログ」では、カンボジア語の学習方法や単語解説などを、様々な記事でご紹介しています。
次の流れで見ていただくと、先ほど解説したおすすめの流れに沿って学習を進めていけるかなと思います。
文字・発音・文法
会話
- レッスンを受講してみる(italki*など)
- カンボジア人と関われるコミュニティに入る(色々探してみましょう!)
- 現地の人と話す
*italkiというサイトではネイティブの先生のレッスンを受けられます。
italkiのデメリット・・・先生がカンボジア語・英語のみしか話せない、支払いがドルで決済が行われる。このあたりが気にならない方は価格も安いですしおすすめです。
(私はDara先生という方のレッスンを受けましたが、明るくて優しい方で、分かりやすくてとても良かったです!)
まとめ
今回はカンボジア語の難易度について解説しました。
繰り返しになりますが、カンボジア語で難しいのは発音です。そして、発音以外の文法などはとてもシンプルで簡単です!
- 発音は重要ポイント2つ(①息を出す・出さない ②語尾の発音)だけをおさえて、細かいことは気にしない
- どんどん文法・単語を覚える
- はっきりと、笑顔で、積極的に話してみる
もちろん、発音はできるに越したことは無いですし、「ネイティブみたいにきれいな発音で話せるようになりたい」と思うのは、多くの人が持つ夢でもあり目標でもあると思います。
私自身も、ついこの前も日常でとてもよく使う「学校(សាលា サラー)」という単語が正確に発音できなくて、ネイティブの人に直してもらったことがありましたが、やっぱり「もっと上手く発音できるようになりたい!」と思ってしまいました。
ただし、一番良くないのは、発音だけをとにかくマスターしようとして、出だしから発音の勉強に時間をさき過ぎて、文法や単語学習に全く進めないことです。
カンボジア語は、文法が理解できて、その文法にそって単語をただ並べればある程度の会話はできるようになります。発音が多少悪くても、です。
発音が間違ってしまうことで、単語の意味が全く違う意味になってしまうものも確かにあります。
ですが、そういった単語は大体限られているのと、正直日常会話でよく使う単語に関しては、発音が少し悪くてもそんなに支障はないと思います。
まずは発音の重要ポイント2つだけを意識して、残りの細かい部分は、カンボジア語に慣れてきた頃にまた改めて参考書などで学習し直すことがおすすめです。慣れてきた段階で学習し直した方が、発音のコツもより理解しやすくなります。
その他、カンボジア語学習でわからないことがありましたらお気軽にお問合せください。
本記事が、少しでもみなさまのカンボジア語学習の助けになりましたら嬉しいです😊
カンボジア語に興味があるんですが、発音が難しいってよく聞きます・・・初心者が勉強するには、やっぱり難しいんでしょうか?
できるだけ独学で頑張りたいんですが、さすがに独学だとマスターするのは厳しいですか?😭