カンボジア語で「行く」「来る」の言い方【会話での使い方も解説】

こんにちは、カンボジア語講師の古谷です。

今回は、日常会話でも特によく使う「行く」「来る」のカンボジア語での言い方を解説します。

具体的なフレーズも挙げて解説しますので、ぜひ実際の会話でも使ってみてください!

目次
  • カンボジア語で「行く」「来る」の言い方
  • 「行く」「来る」の過去形・未来形
  • 「行く」「来る」を使った日常のフレーズ
私はこんな人です
  • フリーランスのカンボジア語講師・翻訳者
  • カンボジア語カレッジを運営
  • 東京外国語大学カンボジア語学科卒業

それでは、早速見ていきます。

カンボジア語で「行く」「来る」の言い方

カンボジア語で行く・来るは次のように言います。

行くទៅ
タウ
来るមក
モーク
(またはマオ)
青い文字をクリックすると東京外国語大学カンボジア語モジュールというサイトにとび、発音を確認できます。
  • カンボジア語で行くは ទៅ タウ、来るは មក モーク と言います。
  • 「来る」を意味する មក はネイティブの方も「モーク」と発音する人もいれば、いつも「マオ」と発音する方もいます。モークでもマオでも、どちらを使っても大丈夫です

具体的には、次のように使います。

行くの例

ខ្ញុំទៅស្រុកខ្មែរ។
クニョム・タウ・スロッ(ク)・クマエ
私はカンボジアに行きます。

ខ្ញុំទៅស្រុកខ្មែរ
クニョムタウスロッ(ク)・クマエ
行くカンボジア
来るの例

ពួកម៉ាកខ្ញុំមកស្រុកជប៉ុន។
プオッ(ク)・マー・クニョム・モーク・スロッ(ク)・クマエ
(プオッ(ク)・マー・クニョム・マオ・スロッ(ク)・クマエでもOK)
私の友人が日本に来ます。

ពួកម៉ាកខ្ញុំមកស្រុកជប៉ុន
プオッ(ク)・マークニョムモーク
(マオ)
スロッ(ク)・クマエ
友人私の来る日本

カンボジア語の基本文型は 主語+述語+目的語 の順番です。基本文型についてまだよくわかっていないという方は、以下で学習できます。

「行く」「来る」の過去形・未来形

過去形・未来形

次に、「行く」や「来る」の過去形や未来形の言い方です。

結論から言いますと、カンボジア語では過去形・現在形・未来形はすべて同じ言い方で大丈夫でして、動詞の語尾が変わったり、動詞の形が変わったりすることも一切ありません。

先ほど解説したように「行く」は ទៅ タウ と言いますが、過去形でも未来形でも同じく ទៅ タウ で大丈夫です。「来る」も同様で、「来る」は មក モークまたはマオ と言いますが、過去形でも未来形でも同じく មក モークまたはマオ で大丈夫なんです。

具体的に言うと、たとえば日本語だと「行く」は、過去にすでに行ったのであれば「行った」となりますし、未来にこれから行く予定なのであれば「行く予定だ」「行くつもりだ」という風に、言い方が変わりますよね?つまり、過去形にする場合は「行」→「行った」という風に、語尾が変わっていると思います。

英語も同様に、英語で「行く」は「go」ですが、すでに行ったのであれば「went」(過去形)になりますし、未来にこれから行く予定なのであれば「will go」(未来形)などという風に、単語の形が「go」→「went」と丸っきり変わってしまったり、willをつけないと未来のことを表せないかと思います。

一方のカンボジア語は、日本語や英語と違って、過去のことをいう場合も単語(動詞)の語尾が変形したり、単語の形が丸っきり変わってしまったりは一切しませんし、未来のことを言う場合でも、必ず「〜予定だ」「〜つもりだ」「will」にあたる単語を入れなくても大丈夫なのです。

つまり、カンボジア語は過去のことであっても・現在のことであっても・未来のことであっても、動詞の形は一切変わりません。そして、読み方も一切変わりません。

これは「行く」ទៅ タウ だけでなく、「来る」や他のすべての動詞も同様です。

まとめると次のような感じです。

「行く」の場合
過去形現在形未来形
日本語行った行く行くつもりだ、行く予定だ
英語wentgowill go
カンボジア語ទៅ タウទៅ タウទៅ タウ
このように過去でも現在でも未来でもទៅの形は変わりませんし、読み方も変わることはなくいつも「タウ」と読みます。
「来る」の場合
過去形現在形未来形
日本語来た来る来るつもりだ、来る予定だ
英語camecomewill come
カンボジア語មក モーク/マオមក モーク/マオមក モーク/マオ
このように過去でも現在でも未来でもមកの形は変わりませんし、読み方も変わることはなくいつも「モーク」または「タウ」と読みます。

より具体的に言いますと、文章では次のようになるということです。

過去ខ្ញុំទៅស្រុកខ្មែរ។
クニョム・タウ・スロッ(ク)・クマエ
私はカンボジアに行きました
現在ខ្ញុំទៅស្រុកខ្មែរ។
クニョム・タウ・スロッ(ク)・クマエ
私はカンボジアに行きます
未来ខ្ញុំទៅស្រុកខ្មែរ។
クニョム・タウ・スロッ(ク)・クマエ
私はカンボジアに行くつもりです(行く予定です)
すべて ទៅ タウ でOK
過去ពួកម៉ាកខ្ញុំមកស្រុកជប៉ុន។
プオッ(ク)・マー・クニョム・モーク・スロッ(ク)・クマエ
(プオッ(ク)・マー・クニョム・マオ・スロッ(ク)・クマエ)
私の友人が日本に来ました
現在ពួកម៉ាកខ្ញុំមកស្រុកជប៉ុន។
プオッ(ク)・マー・クニョム・モーク・スロッ(ク)・クマエ
(プオッ(ク)・マー・クニョム・マオ・スロッ(ク)・クマエ)
私の友人が日本に来ます
未来ពួកម៉ាកខ្ញុំមកស្រុកជប៉ុន។
プオッ(ク)・マー・クニョム・モーク・スロッ(ク)・クマエ
(プオッ(ク)・マー・クニョム・マオ・スロッ(ク)・クマエ)
私の友人が日本に来くつもりです(来る予定です)
すべて មក モークまたはマオ でOK

このように、カンボジア語では、1個単語(動詞)を覚えれば、今のことも過去のことも未来のことも言えるので、文法を覚えるのがものすごく楽なんです!(ありがたい・・😭)

過去・現在・未来どの時のことを話しているのか判断する方法

ここで、みなさんの中には次のような疑問が湧いた方もいるのではないでしょうか?

カンボジア語学習者

現在のことも・過去のことも・未来のことも全部言い方が同じだけど、会話とか文章で、過去・現在・未来どれのことなのかどうやって判断すればいいの?

私も以前、これと全く同じことを考えました。

結論は、次の通りです。

過去・現在・未来どの時のことなのか判断する方法
  1. 動詞の前に បាន バーン がついていれば過去のことだとわかる
  2. 動詞の前に នឹង ヌン がついていれば未来のことだとわかる
  3. 時を表す表現がついていればそれで判断できる
  4. 話の流れで判断できる
①動詞の前に បាន バーン がついていれば過去のことだとわかる

បាន バーン は「手に入れた」「すでにおこなった」という意味です。次のように、動詞の前にបាន バーンをつけることで「〜した」という意味になります。

ខ្ញុំបានទៅស្រុកខ្មែរ។
クニョム・バーン・タウ・スロッ(ク)・クマエ
私はカンボジアに行きました。

このように、動詞(この例であれば ទៅ タウ)の前にបាន バーンをつけることで、「行った」という意味になり、過去のことだとわかります。

②動詞の前に នឹង ヌン がついていれば未来のことだとわかる

នឹង ヌン は「〜するつもりだ」という意味です。次のように、動詞の前に នឹង ヌンをつけることで「〜するつもりだ、〜する予定だ」という意味になります。

ខ្ញុំនឹងទៅស្រុកខ្មែរ។
クニョム・ヌン・タウ・スロッ(ク)・クマエ
私はカンボジアに行くつもりです(行く予定です)。

このように、動詞(この例であれば ទៅ タウ)の前に នឹង ヌンをつけることで、「行くつもりだ」「行く予定だ」という意味になり、未来のことだとわかります。

次の章では、この過去の បាន バーン、未来の នឹង ヌン を使ったフレーズもご紹介しています。

③時を表す表現がついていればそれで判断できる

例えば、次の通りです。

日本在住のカンボジア人

ខ្ញុំទៅស្រុកខ្មែរខែមុន។
クニョム・タウ・スロッ(ク)・クマエ・カエ・モン

ខែមុន カエ・モン は「先月」という意味です。

例えばカンボジア人の方が上のように言った場合、「先月」を意味する ខែមុន カエ・モンがついているので、先月すでに「行った」のだとわかります。

よってこの文章は「私は先月カンボジアに行きました。」という意味だと判断できます。

このように、「先月」「2年前」といった単語がついていれば過去の話だと判断できますし、「明日」「来年」といった単語がついていれば未来の予定なのだということが、聞き手も判断できます。

④話の流れで判断できる

ネイティブのカンボジア人の方に聞くと、これで判断していることが多いとおっしゃっていました。

たとえばですが、夏休み明けにみんなで「夏休みにどこに出かけたか」について話している時であれば、誰かが ទៅ タウと言った場合、その人がどこかに「行った」(過去の話をしている)のだとわかります。

また、たとえば「来週の土日は予定があるか」という話をしている時であれば、相手が ទៅ タウと言えばどこかに「行く予定」(未来のことを言っているの)だと検討が付きます。

このように、大体の場合は、その場の話の流れで相手が過去のことを言っているのか・現在のことを言っているのか・未来のことを言っているのかは判断できます。私もネイティブの人との会話でこのあたりで困ったことはほぼないので、みなさまもご安心ください。

実際のカンボジア語の会話では、この4つの判断基準などを通して、相手が過去・現在・未来どのことを言っているのか判断できます。会話を重ねることで徐々に慣れてきますので、ぜひたくさん会話を楽しんでみてください^^

行く・来るを使った日常のフレーズ

最後に、「行く」「来る」 を使った日常会話で使えそうなフレーズをご紹介します。

自分以外の人のことを主語にしたい場合

ここでご紹介する文章は全て「私は〜です」と言うように、主語を 私 ខ្ញុំ クニョムで書いていますが、ខ្ញុំ クニョムの部分を他の人に変えて言えば、自分以外の人のこともいうことができます。

つまり、たとえば自分のお父さんが行った・来た と言いたい場合は ខ្ញុំ クニョムを「ឪពុក​របស់ខ្ញុំ アウプック・ロボホ・クニョム(私の父)」に変えればOKということです。

行く ទៅ タウ

過去

ខ្ញុំ ទៅ Disneyland ជាមួយ ពួកម៉ាក របស់ ខ្ញុំ ខែមុន ។
クニョム・タウ・ディズニラーン・チア・ムオイ・プオック・マッ・ロボホ・クニョム・カエ・モン

ជា មួយ チア・ムオイ 「〜と一緒に」
ពួកម៉ាក プオック・マッ 「友達」
ខែ មុន カエ・モン 「先月」

ខ្ញុំ ទៅ តូក្យូ ម្សិលមិញ ។
クニョム・タウ・トーキョー・ムサルマニュ

*「東京」は ទីក្រុងតូក្យូ ティー・クロン・トーキョー と言っても大丈夫ですが、カンボジア人の方も東京都のことはតូក្យូトーキョー とだけ言う方も多いです。会話では តូក្យូトーキョー だけでも問題なく通じるかと思います。

ខ្ញុំ បាន ទៅ តូក្យូ ម្សិលមិញ ។
クニョム・バーン・タウ・トーキョー・ムサルマニュ

  • 過去のことや、すでにやった時はこのように ទៅ の前に បាន バーンを入れて、បាន ទៅ バーン・タウ と言う場合もあります。
  • បាន がついていれば、過去のこと、すでに起きたことだということがわかります
    បាន バーン「手に入れる」「すでに行った」
現在

ទៅ​ បន្ទប់ទឹក ​បាន ​ទេ ?
タウ・ボントップ・トゥック・バーン・テー?

បន្ទប់ ទឹក ボントップ・トゥック 「トイレ」(お風呂という意味もあります)

ខ្ញុំ ទៅ មន្ទីរពេទ្យ ថ្ងៃនេះ ។
クニョム・タウ・モンティー・ペート・トゥガイ・ニヒ

មន្ទីរពេទ្យ モンティー・ペート 「病院」

ខ្ញុំ​ ទៅ ​សាលា ។
クニョム・タウ・サラー

*このように、「通っている」と言いたい場合も ទៅ タウ で大丈夫です。
・​សាលា サラー 「学校」

ខ្ញុំ​ ទៅ ទិញ បាយ ។
クニョム・タウ・テニュ・バーイ

*「買いに行く」はこのように ទៅ + ទិញ タウ+テニュ の順番で言います。
ទិញ テニュ 「買う」
បាយ バーイ 「ご飯」

未来

ខ្ញុំ ទៅ ស្រុកខ្មែរ ឆ្នាំក្រោយ ។
クニョム・タウ・スロック・クマエ・チナム・クラオイ

ឆ្នាំក្រោយ チナム・クラオイ 来年

ស្រុក ខ្មែរ スロック・クマエ は ប្រទេស កម្ពុជា プロテヘ・カンプチア に変えても大丈夫です。どちらも「カンボジア(国)」という意味です。

ខ្ញុំ នឹង ទៅ ស្រុក ខ្មែរ ឆ្នាំ ក្រោយ ។
クニョム・ヌン・タウ・スロック・クマエ・チナム・クラオイ

  • 未来のことを言う場合は、このように ទៅ の前に នឹង ヌンを入れて、នឹង ទៅ ヌン・タウ と言う場合もあります。
  • このように動詞の前にនឹង ヌンがついていれば、これから起きること、未来のことだとわかります。
    នឹង ヌン 「〜するつもりだ」

ខ្ញុំ ទៅ ផ្ទះឪពុកម្តាយ ខ្ញុំ នៅ ខែកក្កដា ។
クニョム・タウ・プテア・アウプック・マダーイ・クニョム・ノウ・カエ・カッカダー

ខែ កក្កដា カエ・カッカダー は ខែ ៧ カエ・プランピー (または カエ・プランパル)に変えても大丈夫です。どちらも「7月」を意味します。

ខ្ញុំ នឹង ទៅ ផ្ទះឪពុកម្តាយ ខ្ញុំ នៅ ខែកក្កដា ។
クニョム・ヌン・タウ・プテア・アウプック・マダーイ・クニョム・ノウ・カエ・カッカダー

このように、ទៅ(動詞)の前に នឹង ヌン を入れてもOKです。

来る មក モーク(またはマオ)

過去

ម្សិល​ម្ងៃ ឪពុកម្តាយ ខ្ញុំ បាន មក ផ្ទះ ។
ムサルムガイ・アウプック・マダーイ・クニョム・バーン・モーク・プテア
(ムサルムガイ・アウプック・マダーイ・クニョム・バーン・マオ・プテア と言ってもOK)

*このように 昨日 (ម្សិល​ម្ងៃ ムサルムガイ)などの時を表す表現は文の頭に持ってきても大丈夫です。
ទៅ タウ 「行った(過去)」と同様に、មក モークの場合も過去のこと(「来た」)であれば បាន មក バーン・モーク と言うこともあります。
ឪពុក ម្តាយ アウプック・マダーイ 両親

ថ្ងៃនេះ ប៉ូលីស មក ក្រុមហ៊ុន ខ្ញុំ ។
トゥガイ・ニヒ・ポリヒ・モーク・クロムホン・クニョム
(トゥガイ・ニヒ・ポリヒ・マオ・クロムホン・クニョム)

ប៉ូលីស ポリヒ 「警察」
ក្រុមហ៊ុន クロムホン 「会社」

ថ្ងៃនេះ ប៉ូលីស មក ។
トゥガイ・ニヒ・ポリヒ・モーク
(トゥガイ・ニヒ・ポリヒ・マオ)

*このように、来た場所(「家に」「会社に」など)を言わないで言うこともできます。

現在

សង្សារ ខ្ញុំ មក ផ្ទះ ថ្ងៃនេះ ។
ソンサー・クニョム・モーク・プテア・トゥガイ・ニヒ
(ソンサー・クニョム・マオ・プテア・トゥガイ・ニヒ)

សង្សារ ソンサー 「彼氏、彼女、恋人」
ផ្ទះ プテア「家」

សំបុត្រ មក រាល់ថ្ងៃ ។
サンボット・モーク・ロアル・トゥガイ
(サンボット・マオ・ロアル・トゥガイ)

សំបុត្រ サンボット 「手紙」
រាល់ ថ្ងៃ ロアル・トゥガイ 「毎日」

未来

ប៊ីយន់សេ នឹង មក ជប៉ុន នៅ ចុងឆ្នាំនេះ !
ビヨンセ・ヌン・モーク・チャポン・ノウ・チョン・チナム・ニヒ
(ビヨンセ・ヌン・マオ・チャポン・ノウ・チョン・チナム・ニヒ)

ចុងឆ្នាំនេះ チョン・チナム・ニヒ 年末

នឹង ヌン はあってもなくても大丈夫です。
*「日本」は ស្រុក ជប៉ុន スロック・チャポン または ប្រទេស ជប៉ុន プロテヘ・チャポン と言いますが、会話ではこのようにជប៉ុន チャポンとだけいう場合もよくあります。

まとめ

今回はカンボジア語の「行く・来る」の言い方を解説しました。

まとめ
行くទៅ
タウ
来るមក
モーク
(またはマオ)
「行く・来る」以外によく使う動詞はこちらです

以下の記事では、「行く」「来る」を含めてカンボジア語の日常会話でこれは特によく出てくるなと思う動詞を15個まとめてご紹介しています。

会話だけでなく書き言葉でもよく登場するものばかりですので、この辺りの単語を優先的に覚えておくと使える場面も多いかなと思います。