こんな方へ解説します。
●この記事でわかること●
- カンボジア語の「さようなら」「またね」の言い方
- カンボジア語の「さようなら」「またね」の使い方
- まとめ
こんにちは、Furuyaです。
●私のプロフィール●
- フリーランスのカンボジア語翻講師・翻訳者
- カンボジア語カレッジを運営
- 東京外国語大学カンボジア語学科卒業
それでは、詳しく見ていきます。
カンボジア語の「さようなら」「またね」の言い方
カンボジア語では、次のように丁寧な「さようなら」という言い方と、「またね、じゃあね」というカジュアルな言い方の2種類があります。
さようなら ជម្រាបលា ( またはជំរាបលា ) チョムリアップ・リア | 丁寧 先生、目上の方、年上の方など 必ず合掌する🙏 |
またね、じゃあね លាហេីយ リア・ハウイ | カジュアル 友達、同級生など 合掌はしなくてOK |
- チョムリアップ・リアはជម្រាបលាと書く場合もあれば、ជំរាបលា というつづりで書かれている場合もあります。どちらも読み方や意味はまったく同じものです。ネイティブの方はどちらもよく使います。
- 目上の方や年上の方、先生などに対しては合掌しながらチョムリアップ・リアと言います。ポイントは、必ず合掌するということです。合掌の仕方はこのあと詳しく解説します。
- たとえ何度も会っていて親しくなったとしても、基本的には目上の方や先生などの敬意を表したい相手には、毎回別れ際には必ず合掌をしてチョムリアップ・リアと言います。反対に、たとえば学校で生徒が先生に対してリアハウイーということはあまりありません。
- 友達や同級生であれば、លាហេីយ リア・ハウイ (またね、じゃあね)と言えば大丈夫です。リア・ハウイというときは合掌はしなくてOKです。
- 使い分けのコツとしては チョムリアップ・スオ(おはようございます・こんにちは・こんばんは)とあいさつした相手には→別れ際にはチョムリアップ・リア(さようなら)と言い、スオスダイ!(やあ、どうも)とあいさつした相手には別れ際には リア・ハウイ(またね、じゃあね)を使えば大丈夫です。
- 丁寧|チョムリアップ・スオ → 別れ際 チョムリアップ・リア(さようなら)
- カジュアル|スオ・スダイ → 別れ際 リア・ハウイ(またね、じゃあね)
ただし、私たち外国人の場合は、たとえば相手のネイティブの方が年上であっても、カジュアルな感じであればリア・ハウイーで大丈夫(許される)場合もあるかなと思います。その場合は、その場の状況や雰囲気に合わせてリアハウイを使ってもいいかもしれません。
ただし、目上の方や立場が高い相手に対しては合掌しながらチョムリアップ・リアと言うのが基本ですので、誰にでもリアハウイを使うのは避けたほうが良いと思います。迷った場合は合掌しながらチョムリアップ・リアとあいさつした方が失礼もなく安心かなと思います。
合掌の仕方
チョムリアップ・リア(さようなら)というときは必ず合掌をする、とお話ししましたが、具体的にどのように合掌をすればいいのかを解説します。このあとネイティブの方が実際に合掌をしている動画も掲載していますので、そちらもぜひ参考にしてみてください。
合掌というのは、日本でも(仏教や神道を信仰している方であれば多くの方は)初詣に行って神社で手を合わせたり、仏壇やお墓に手を合わせたりすることがあるかと思いますが、合掌自体はあの時にやる、手のひらと手のひらをあわせておこなうあの合掌と同じです。
ただし、カンボジアの合掌の特徴として、次のようにあいさつをする相手の立場が高ければ高いほど、合掌している手の高さを高くしなればなりません。
相手 | 合掌する位置 |
神様(神様にお祈りするとき) | さらに高く頭の上の高さ |
王様、僧侶 | まゆ毛(眉間)の高さ |
先生、両親、祖父母 | 鼻の高さ |
年上、上司、目上の人 | 口の高さ |
友達、同年代 | 胸の高さ |
合掌をした手は、自分の口や鼻など自分の顔や体にくっつける必要はありません。高さが高くなっていれば大丈夫です。次のような感じです。
カンボジア人の合掌
ただし、ネイティブのカンボジア人の方であってもこの細かい合掌の使い分けをきちんとわかっていない方もいるそうですので、人によっては合掌の手の高さが先ほどの表の通りにはなっていない場合もあるかと思います。
参考動画
参考までに、YouTubeのニュース動画を載せます。
最後の13:57あたりで女性が合掌をした後すぐ、男性も同じように合掌をして挨拶を返しているのがわかるかと思います。
*ここでは「ជម្រាបលា チョムリアップ・リア」ではない言い方をしているのですが、合掌の仕方を参考にして頂けたらと思います。
- なお、この動画では女性キャスターも男性も、だいたい口や鼻の前あたりの高さで合掌していますが、いつもこの高さで合掌をすれば良いというわけではなく、誰に対して挨拶をするかによってこの合掌の手の高さを変えます。
先ほどのイラストでも解説しましたが、相手の位(くらい)が高ければ高いほど、合掌する手の高さを高くしなければなりません。つまり、たとえば王様などにあいさつする場合であれば、鼻よりもさらに高い眉間くらいの位置で合掌するということになります。
カンボジア語の「さようなら」「またね」の使い方
次に、ជម្រាបលា チョムリアップ・リア(さようなら) と លាហេីយ リア・ハウイ(またね)を会話でどのように使えば良いのか、具体例を挙げて解説します。
ជម្រាបលា チョムリアップ・リア さようなら
さようなら ជម្រាបលា ( またはជំរាបលា ) チョムリアップ・リア | 丁寧 先生、目上の方、年上の方など 必ず合掌する🙏 |
年上の方、目上の方、先生などにはチョムリアップ・リアが基本
カンボジア人の学生は、たとえば先生に「さようなら」とあいさつするときは、たとえ何度会っていても、毎回必ず合掌しながら ជម្រាបលា チョムリアップ・リアと言います。基本的に先生に対しては លាហេីយ リア・ハウイとは言いません。
みなさんが、例えばカンボジア人の年上の方や目上の方と会った際や、カンボジア語のレッスンを受けたりした時、別れ際に「さようなら」と言うときは合掌しながら チョムリアップ・リア ということをおすすめします。
相手が年上であっても、仲の良いカジュアルな感じの関係性であれば リア・ハウイ(またね、じゃあね)を使ってもOKな場合も多いですが、迷った場合は合掌しながらチョムリアップ・リア と言うほうが丁寧で間違いありませんのでおすすめです。
具体例
たとえば、ネイティブの先生のカンボジア語レッスンを受けてその終わり際に・・・
ជួបគ្នាឆាប់ៗ។
チュオップ・クニア・チャップチャップ
またすぐに(次のレッスンで)会いましょうね。
ចាស។ អរគុណច្រេីន អ្នកគ្រូ។ ជម្រាបលា។
チャー、オークンチュラン・ネアックルー。(合掌しながら)チョムリアップ・リア。
はい、ありがとうございました、先生。(合掌しながら)さようなら。
このように、別れ際に「さようなら」と言いたいときは合掌しながら言えばOKです。
- ជួប チュオップ 会う
- គ្នា クニア お互いに
- ឆាប់ៗ チャップ・チャップ すぐに
- ។ (読まない)日本語の句読点の「。」
ចាស チャー と言うのは女性の「はい」ですので、男性の場合はチャーではなく បាទ バーッ(ト)と言います。
↓はいの言い方はこちらで解説しています。
ネイティブの使い方
- 実際に私がこれまで出会ったネイティブのカンボジア人の学生たちも、日本人の先生やカンボジア人の先生に対して「さようなら」と言うとき、いつも合掌をしながら「ជម្រាបលា អ្នកគ្រូ チョムリアップ・リア、ネアックルー」または「ជម្រាបលា លោកគ្រូ チョムリアップ・リア、ローックルー」と言っていました。
- 生徒が先生に対して「លាហេីយ リア・ハウイ」と言っているのは(私の知る限りは)見たことがないです。
補足|អ្នកគ្រូ ネアックルー と លោកគ្រូ ローックルー
なお、上で書いた អ្នកគ្រូ ネアックルーとは女性の先生に対して「先生」と呼びかける時の呼びかけの言葉で、លោកគ្រូ ローックルーとは男性の先生に対して「先生」と呼びかける時の呼びかけの言葉です。
អ្នកគ្រូ ネアックルー | 女性の先生への呼びかけの言葉 |
លោកគ្រូ ローックルー | 男性の先生への呼びかけの言葉 |
- 相手が女性の先生であれば「ជម្រាបលា អ្នកគ្រូ チョムリアップ・リア、ネアックルー(さようなら、先生)」と言ったり、相手が男性の先生であれば「ជម្រាបលា លោកគ្រូ チョムリアップ・リア、ローックルー(さようなら、先生)」と言うこともとても多いです。
- このようにカンボジア語では、チョムリアップ・リア さようなら の後に相手の名前や呼び掛けの言葉をつけて言うこともよくあります。「こんにちは」や「ありがとうございます」と言う時も同様で、後ろに相手の名前や呼び掛けの言葉をつけて言うことも多いです。(毎回ではなく、つけない場合もあります)
「さようなら」と言う時、めちゃめちゃ親しい友達のような先生であれば លាហេីយ リア・ハウイ でも大丈夫かもしれませんが、基本は先生などの目上の人や年上の人に対しては合掌しながら ជម្រាបលា チョムリアップ・リア と言います。そのとき雰囲気や先生の様子などに合わせて使い分けると良いかなと思います。
លាហេីយ リア・ハウイ またね、じゃあね
またね、じゃあね លាហេីយ リア・ハウイ | カジュアル 友達、同級生など 合掌はしなくてOK |
友達・同級生にはリア・ハウイでOK
友達や同級生に対しては、合掌はせず លាហេីយ リア・ハウイーと笑顔で言えば大丈夫です。ネイティブの方も លាហេីយ リア・ハウイ と言うときは合掌はせず、笑顔で言って別れます。人によっては、手を振りながらリア・ハウイーと言ってくれる人もいます。
ただし、初対面の方や、相手の年齢がわからずどちらを使ったら良いか迷ったときは 合掌しながらជម្រាបលា チョムリアップ・リア と言うほうが間違いがないかなと思います。
ជម្រាបលា チョムリアップ・リアの方が丁寧ですし相手が目上の方であっても失礼がなく安心です。
具体例
カンボジ人の友達と話していて、別れ際に・・・
ជួប គ្នា ស្អែក។ លាហេីយ ។
チュオップクニア・スアエク。リア・ハウイー
また明日ね。またねー
បាទ ។ លាហេីយ ។
バーッ(ト)。リア・ハウイ
うん、じゃあねー✋
このように、友達同士であればリア・ハウイーと言えばOKです。
ネイティブの使い方
下の動画の3分31秒のところで、オークン、リア・ハウイー!(ありがとうございました、またねー!)と言っていますので、ぜひネイティブの発音を聴いてみてください。
こちらの動画は、スレイモムさんという女性がカンボジアの街中を自転車で案内してくれている動画でして、字幕も出ていてとても見やすいので学習にもおすすめです。
まとめ
今回はカンボジア語の「さようなら」「またね」の言い方と具体的な使い方を解説しました。
さようなら ជម្រាបលា ( またはជំរាបលា ) チョムリアップ・リア | 丁寧 先生、目上の方、年上の方など 必ず合掌する🙏 |
またね、じゃあね លាហេីយ リア・ハウイ | カジュアル 友達、同級生など 合掌はしなくてOK |
もっとフレーズを言えるようになりたい方へ
以下の記事では、「さようなら・またね」以外に「ごめんね」「大丈夫」「がんばって!」など、会話ですぐに使えるフレーズをご紹介しています。こちらもぜひ覚えて使ってみて下さい。
カンボジア語で「さようなら」や「またね」って何と言うんですか?市販の本にも載っていますが、どれが正解かわからないので正解を教えて欲しいです。言い方とかも気をつけることがあれば知りたいです。