カンボジア語の過去形【結論:過去のことでも動詞は変わらない】

カンボジア語学習者

カンボジア語の過去形の言い方が知りたいです。過去のことを言うにはどうすればいいんでしょうか?

こんな方へ向けて、解説していきます。

■もくじ■

  • カンボジア語の過去形
  • カンボジア語の未来形
  • カンボジア語の現在進行形

■私はこんな人です■

  • フリーランスのカンボジア語講師・翻訳者
  • カンボジア語カレッジを運営
  • 東京外国語大学カンボジア語学科卒業

カンボジア語の過去形

カンボジア語の過去形

まず結論から言うと、カンボジア語では過去のことであっても動詞が変化したり語尾が変わったりすることは一切ありません

つまり、次のような感じです。

現在形

私はカンボジアに行きます。
ខ្ញុំ​ ទៅ​ ស្រុកខ្មែរ។ 
クニョム・タウ・スロッ(ク)・クマエ

過去形

私はカンボジアに行きました。
ខ្ញុំ​ ទៅ​ ស្រុកខ្មែរ។
クニョム・タウ・スロッ(ク)・クマエ

ខ្ញុំទៅស្រុកខ្មែរ
クニョムタウスロッ(ク)・クマエ
行くカンボジア

上で書いたように、カンボジア語で「行く」はទៅ​ タウ と言いますが、今行く場合も ទៅ タウですし、過去に「行った」場合も ទៅ タウと言います。

つまり、形も読み方も一切変わらないんです。

もっと言うと、未来形(「行く予定です」「行くつもりです」と言う場合)であっても同じくទៅ タウと言い、この ទៅ の形も読み方も変わらないんです。この辺りは次の章で解説します💡

現在形か過去形かを判断する方

ここで、次のような疑問を持つ方も多いかと思います。

カンボジア語学習者

言い方が全く一緒だと、相手が今のことを言っているのか過去のことを言っているのか判断できないですよね?ネイティブの人はどうやって判断しているんですか・・??

私もカンボジア語を学習しはじめたばかりの時は、全く同じことを思っていて、実際にネイティブの先生や留学生に聞いてみたことがありました。

ネイティブの方たちは、次のことから判断するそうです。

現在のことなのか過去のことなのかを判断する方法
  1. 文脈で判断できる
  2. 「昨日」「先月」「2年前」などがついていれば、それで判断できる
  3. 動詞の前に បាន バーン/ដែល ダエル/ធ្លាប់​ トロアップ がついていれば、それで判断できる

①文脈で判断できる

個人的には、現在形なのか過去形なのかを判断する方法としてはおそらくこれで判断することが一番多いんじゃないかなと思います。

例えば誰かと1対1で話している時に「週末は何をしてたの?」と聞かれた場合、聞かれた相手は“週末に”何をしていたか(=つまり、過去の話)を話しますよね?

このように、毎回「いつ」ということをハッキリ言わなくても、その時の会話の流れで、「相手は今過去の話をしているんだ」ということがわかることもよくあります。

これは会話だけではなくて、文章の場合も同様です。

前に「◯◯年◯月◯日に」や「私が高校を卒業した時に」などの文章があれば、話の流れ的に過去に起きたことを言っているんだ!、とわかるといった感じです。

②「昨日」「先月」「2年前」などがついていれば、それで判断できる

こちらはかなりわかりやすいかなと思いますが、時を表す表現や単語がついていれば、過去のことだとすぐに判断できます。

具体的には次のようなイメージです。

  • ខ្ញុំ​ ទៅ​ ស្រុកខ្មែរ។ 
    クニョム・タウ・スロッ(ク)・クマエ
    私はカンボジアに行きました/行きます/行く予定です(行くつもりです) のどれか

→これだと、過去のこと(すでに行った)なのか、今のことなのか、もしくは未来のこと(今度行く予定)なのかよくわからない・・😭

ですが・・・

  • ខ្ញុំ​ ទៅ​ ស្រុកខ្មែរ ពីរឆ្នាំមុន។ 
    クニョム・タウ・スロッ(ク)・クマエ・ピー・チナム・モン
    ពីរឆ្នាំមុន ピー・チナム・モン で「2年前」という意味です。
    ពីរ ピー 2、ឆ្នាំ チナム 年、 មុន モン 前

→「ពីរឆ្នាំមុន (2年前)」と言っているから、2年前に「行った」=過去のこと だとわかる!🎉

つまり、この文章は「私は2年前カンボジアに行きました」(過去形)と言っているのだとわかります。

このように時を表す単語がついていれば、どの時点の話なのかをカンタンに判断できます。

③動詞の前にបាន バーン/ដែល ダエル/ធ្លាប់​ トロアップがついていれば、それで判断できる

បាន​  バーン

បាន​ は「すでに〜した」のような意味があり、過去のことだと明確に言いたい場合はこのបានが動詞の前につきます。

ខ្ញុំ​ បាន​ ទៅ​ ស្រុកខ្មែរ។ 
クニョム・バーン・タウ・スロッ(ク)・クマエ
私はカンボジアに行きました。

このように、បានが動詞の前についている場合、すでに起きたこと(=過去のこと)を言っている可能性が高く、判断しやすいです。

ដែល ダエル/ធ្លាប់​ トロアップ
ដែល
ダエル
1回だけでも経験あり
ធ្លាប់
トロアップ
何回も経験あり

ដែល ダエル もធ្លាប់ トロアップ もどちらも「〜したことがある、経験がある」といった意味です。

2種類の違いは上に書いた通りで、1回でもやったことがあるなら ដែល を、何回もやっていて慣れているような場合は ធ្លាប់ を使います。

この2つも先ほどの បាន バーンと同様で、動詞の前につけて使います。

ខ្ញុំ​ ដែល​ ទៅ​ ស្រុកខ្មែរ។ 
クニョム・ダエル・タウ・スロッ(ク)・クマエ
私はカンボジアに行ったことがあります。←1回でも行ったことがある

ខ្ញុំ​ ធ្លាប់​ ទៅ​ ស្រុកខ្មែរ។ 
クニョム・トロアッ(プ)・タウ・スロッ(ク)・クマエ
私はカンボジアに行ったことがあります/私はカンボジアによく行きました。←何回も行っていて慣れている感じ

このように、経験を表す ដែលធ្លាប់ が動詞の前についていれば、〜したことがある/経験したことがある=すでにやったこと=過去のこと だと判断できます。

カンボジア語の未来形

では、未来形=今後やる予定のこと はどう言えばいいのでしょうか??

基本的には、次のように過去形の場合と同じように判断できます。

未来のことなのかを判断する方法
  1. 文脈で判断できる
  2. 「明日」「来月」「3年後」などがついていれば、それで判断できる
  3. 動詞の前に នឺង​ ヌンがついていれば、それで判断できる

①、②→過去形と同様なので解説は省略します。

③動詞の前に នឹង ヌンがついていれば、それで判断できる

未来のこと、つまり「これからやるつもりです、これからやる予定です」とはっきり示したい時は、動詞の前に នឹង ヌン をつけて言います。

  • នឹង​ 〜するつもりだ、〜する予定だ

ខ្ញុំ​ នឹង​ ទៅ​ ស្រុកខ្មែរ។ 
クニョム・ヌン・タウ・スロッ(ク)・クマエ
私はカンボジアに行くつもり(行く予定)です。

カンボジア語の現在進行形

最後に、現在進行形について少しだけ解説します。

現在進行形

「(今)〜しています」「〜している最中です」と言いたい場合は、動詞の前にកំពុង​ コンポン をつけて言います。

  • កំពុង​ 〜している

ខ្ញុំ​ កំពុង​ ធ្វេី​ កិច្ចការ​ ផ្ទះ។ 
クニョム・コンポン・トゥヴー・カイッカー・プテア
私は宿題をやっているところです。

ខ្ញុំកំពុងធ្វេីកិច្ចការ​ ផ្ទះ
クニョムコンポントゥヴーカイッカー・プテア
〜しているする宿題

このように、ធ្វេី トゥヴーは「する」という動詞なので、このធ្វេីの前にកំពុងを入れて言うことで、「する」→「(今まさしく)している、やっている」という意味を表すことができます。

まとめ

今回はカンボジア語の過去形について解説しました。

まとめ

過去・未来・現在・現在進行形は次の3つから判断できる。

  1. 文脈
  2. 「昨日」「今日」「明日」などの時を表す表現
  3. 次のようなそれぞれ特有の単語
過去形បាន バーン/ ដែល ダエル / ធ្លាប់​ トロアップ+動詞
未来形នឹង ヌン+動詞
現在進行形កំពុង コンポン+動詞

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